1.用途はなにか?
産業用カメラは大きく分けて、モニタリング用とマシンビジョン用の2種類があります。
モニタリング用は、カメラとモニタやレコーダーを直接繋ぎ目視での確認を目的とします。
主に顕微鏡などに使用するカメラがこちらです。USBでPCに接続する場合もあります。
マシンビジョン用は、画像解析装置やPCに接続し、画像解析を目的とします。
こちらは生産ラインなどに設置し、パターン認識などの解析用カメラとして使用します。
2.イメージセンサは単板式か3板式か
カラーカメラのイメージセンサー(撮像素子:CCD、CMOS、他)として単板式と3板式があります。
単板式は二次元的に配置されたカラーフィルターを受光面に貼り合わせた1個のイメージセンサーを用いて、色の三原色R(赤)、G(緑)、B(青)のカラー信号を生成しています。
3板式はR、G、Bに対応した3個のイメージセンサーを用いてカラー信号を取り出します。
各イメージセンサーの画素はRGBすべてのデータを持つことになるので、単板式に比べて解像度、画質がすぐれています。
一般に3板式を3CCD、3CMOSと呼んでいます。
また、単板式を1チップと呼ぶ場合もあります。
3CCD 3CMOS |
CCD 1CMOS |
|
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画質 | ◎ | ○ |
価格 | △ | ○ |
3.映像出力はデジタルかアナログか
従来のカラーカメラではNTSCなどのTVフォーマットでした。
その後、イメージセンサーの高画素化が進み、
アナログ映像信号でPC用ディスプレイなどに表示する方法がとられていました。
近年では、ほとんどがデジタル映像信号に置き換わり
DVIやHD-SDIなどでPC用ディスプレイやTVに接続する方法がとられています。
また、デジタル映像信号は容易に画像保存や画像処理が行えるため、
CameraLink、IEEE1394b等のインターフェイスをを介して、
カメラ制御が可能となるPCを用いたデジタル映像信号も増えています。
4.解像度
位置決めなどのアプリケーションでは、高速性が求められるため、
比較的解像度の低いカメラが使用されています。
カメラのパーシャルスキャン(部分読み出し)機能などを利用してフレームレートをあげ、
より高速処理を行う場合もあります。
一方、外観検査(缶・ボトル検査、印刷・ラベル検査、等)などのアプリケーションでは、
高解像度のカメラが使用されています。
5.イメージセンサーサイズ
1/2型、1/3型などのように表現されます。
日本では軽量法により取引における「インチ」の使用が認められていないため
ブラウン管などと同様「型」が使用されています。
このサイズはイメージセンサーの実際の寸法ではなく、
呼び名に相当する管径の撮像管の 画面サイズと等しい事を表します。
「1/2型」の場合、撮像管に相当する対角は8㎜、「1/3型」は6㎜となります。
ご使用になるレンズなどの光学系を選択される際の
便宜を考慮してこのような習慣がうまれました。
一般的には、大きいイメージセンサーサイズならば、
多くの素子を配列できるため、高解像度を実現でき、
小さいイメージセンサーサイズは逆に解像度に限界がありますが、
レンズを含めた小型化が可能となります。
近年、産業用カメラ市場では、1/3型クラスが主流となっております。
6.フレームレート
フレームレートとは、1秒間に何回画面を書替えることができるかを表す指標です。
一般的な動画は30fps(毎秒30枚の画像を書き換え)となります。
より滑らかな映像や動きの速い物体を撮影する場合は
60fps~120fpsの画像書き換えの可能なカメラが採用されています。
部分読み出しにより、さらにフレームレートをあげる事も可能です。
ただし、高解像のカメラほど画素数により画像1枚あたりの情報量が多くなり、
フレームレートは低くなります。